保護者会でお伝えしました三私幼P連研修会内容です。
講師は、高木豊先生です。
講師プロフィール
1980年大洋ホエールズ(現 横浜DeNAベイスターズ)に入団。盗塁王、ベストナイン、ゴールデングラブなどの輝かしい成績を残す。引退後はアテネ五輪の守備走塁コーチ、横浜DeNAベイスターズ一軍ヘッドコーチなどを歴任。現在は野球解説者として各種メディアにおいて活躍中。
また、長男は浦和レッズ、次男は清水エスパルス、三男は東京ヴェルディに所属するJリーガーとして活躍しており、教育者としても注目を浴びている。
講演内容
三兄弟を育てた高木氏流教育論による、幼児期から成長過程での子供との関わり方、夢の追いかけ方を、成長の段階を追って講演いただきました。
<乳児期>
泣いたらすぐ抱っこするように手をかけ過ぎないで、見守りながら無償の愛を注ぐ時期です。そうすることで、幼稚園へ入る頃に親からの愛情を子供は返そうとしてくれます。その愛情を返してくれたことに対して、親は片手間にしないで、しっかり愛情を返すことが必要です。
<幼児期>
親の目を意識し、褒められることによって愛情を確認します。その確認したサインを見逃さずに愛情のキャッチボールをしてください。忙しいからといってそのサインを見逃すと、大人になってから自分だけの世界を作ることになり、会話にはいってこなくなります。
また、時には真剣な雰囲気をつくって正面から向き合って話すことも大切です。成長してから親子の会話を始めることは難しいので、小さい頃から少しずつ親子の関係づくりをしておくと、思春期の過ごし方が円滑になります。
私は、この時期の子供に対して決してしなかったことがあります。それは、兄弟を比べることです。つい、比べてしまいそうですが、兄弟によって能力や個性は違います。比べることは、子供に負担をかけるだけなので、絶対にしてはいけません。親はそれぞれの個性を大切にして、子供の性格を自然に把握することが大切です。
そして、今の幼児期のころから、毎日の生活の中で挨拶を必ずさせるようにし、声のトーンや雰囲気で元気があるかないかのサインをキャッチすることが大切です。また、いじめのサインを見つけることができます。本人の口から本音を話すことを待ち、子供を見守ることが大切ですが、いじめの場合は異なります。気づいた時には親から動き、子供を守ることです。勇気をもって守ってあげてください。
<学童期>
将来、何になりたいのか、そのためには今何をするべきかを子供に問いかけること、時間とプロセスを設定し1つ1つクリアさせていくことが大切です。
親が持つ能力を子供が持っているとは限らない、また親のエゴでやらせても好きな事でないと続かないものです。そして、なりたいものや興味のあることが見つかる時期もまた人それぞれです。子供を信じて焦らず見守ってあげましょう。
この過程で親が細々と口を出すことは、子供が自分で考える力を奪うことになるため、基本的には子供が自ら来るまで褒め続けてください。そして、困っている様子でも待ってあげること、見守ってあげてください。自分から本音で頼ってきたときだけ手を差し伸べましょう。
夢や目標が見つからない子もいると思いますが、成長の早い、遅いがあるのは当然で、何歳になるかはわかりませんが、いつか自分で目標を見つけるはずなので、親は焦らないで待つべきでしょう。
<思春期>
反抗期は大人への第一歩です。親はムキにならずに、子供の心が硬ければ、親はスポンジのような柔らかい心で意見を聞いてあげましょう。子供が本気で話を聞いてほしい時は、手を止め、きちんと向き合い、目を見て冷静な対応で話を聞くことで子供も真剣に話をします。小さい頃から話し合いの環境を整えていくため、対話をすることは大切です。
<成人>
子供に複数の選択肢を与えましょう。最初から一つに決めないで、複数の具体的な選択肢を与え、最終的な決定権は子供に委ねましょう。親は協力する位置にいることが大切です。親の希望を押し付けた結果、その後、挫折した際に親の責任にしてしまう傾向があります。
将来様々な判断ができる子供に育てるうえで大切なポイントを3つご紹介します。
- 他人の良いところを見つけられる子
粗探しばかりして文句を言う子は、周りの空気を暗くします。良いところを見つけることのできる子はポジティブで明るく、周囲を活力ある空気にします。普段から家庭でもその環境を作りましょう。 - モノの本質を見極められる子
誰が何を言ったかではなく、何が正しいのかを見極める力をつけさせましょう。そうすることで、自分の意見を発言できるようになります。
例えば、本や映画は、作者が作品を通して見る側に何を訴えているかを感じ取るのにとても良いので、たくさん見せてあげましょう。 - 嫌なことから逃げ出さないで、コツコツ取り組める子
コツコツとどんなことにも取り組める人は、どんな組織の中でも活躍することができます。この仕事はして、これはやらないなど、嫌なことから逃げる癖がつかないようになります。
どんなに忙しくても片手間ではなく、子供としっかり向き合える親子になること、干渉しすぎないで子供を信じて待つこと。そうすると、自然と子供から歩み寄ってきてくれて親子の信頼関係ができるのではないでしょうか。
ついつい毎日の生活に忙しく、親の都合や判断を優先してしまっているような場面も多い気がします。
普段の子供との向き合い方を見直すきっかけになるとともに、子供たちと夢について話してみようと思いました。