昔は兄弟が多く、家庭内で子供集団が存在しましたが、現在ではなかなか家庭内での子供集団というのはありません。そこで必要になってくるのが、幼稚園などでの集団です。

幼稚園では基本的に自分で出来ることは自分でするという方針で、例えば、家庭ではすぐに大人が手をだしてしまうような着衣も、子供が楽に着脱出来る洋服が前提ですが、自分で出来るように指導しています。また食事に関しても食べさせるのではなく、きちんと座って自分で食べるよう指導しています。

排泄に関しても同様です。自分でパンツをおろし、トイレでおしっこ・ウンチをする。手を洗う。これらの基本的生活習慣を身につけるには保育者の働きかけはもちろんですが、同年齢、あるいは異年齢の友達の影響が大きく、他の子を見て真似をしているうちに覚えるということがあります。

これらのことが出来るようになっていくことで自分に自信がつき、同時に友達との関わり合いの中で言葉も覚え、会話が発達していくようにもなります。結果、自己主張が表れるようになってきます。

家庭内で兄弟が多ければ当然経験する我慢するということもこの時期に必要な経験の一つです。自分が自己主張するだけでなく、友達も主張する。その中でケンカが発生する。お互いに、あるいはどちらかが我慢する。子供集団がなくては経験できないことです。

集団生活の中ではもちろん我慢することだけを学ぶ訳ではなく、集団でしか出来ない遊びの経験があります。また友達に対する関心が強くなり、集団の中から大好きなお友達を見つけ一緒に遊ぶ楽しさを味わうようになります。また、物に対しても自分の物と共同の物という区別に気が付くようになってくるのもこの時期です。

「みんなが使う物だから、大事にしないと他のお友達がつかえなくなってしまうよ」「○○ちゃんの物ではなくてこれはみんなの物だから、お友達と一緒に使おうね」等、共同の物という事を意識させ(玩具や絵本等、個人の物でも大切に扱うのは当然の事ですが)共同の物だから大事に扱い、譲り合う事の大切さに気付いていきます。満3歳児クラスでは、まだ集団遊びの確立まではいきませんが、その芽生えという事で集団に対する関心が強く見られます。3歳児・4歳児と年齢があがるにつれて、集団への意識の持ち方が変化してくるのです。

【基本的生活習慣の自立】

◇食事

イスに座って自分ひとりで、スプーンやフォーク等を使って食べるということをまず目標に置き、皆で一緒に食べる楽しさを味わいます。自分のことで手一杯だった子も友達が食べているのを見て、苦手な物が食べられるようになることもあります。
ご家庭にも楽に出し入れできる袋(お弁当やコップ入れ)を用意していただき、自分ひとりでできることを協力していただいています。

◇排泄の自立

入園当初は上手にできない子も、排泄をする環境への慣れや、先生の言葉がけ、友達の真似をすることによって、スムーズにできるようになっていきます。
園と家庭と両方で協力し合って自信を持たせるように言葉がけをしたり、見守ったりしながらタイミングを見てパンツに移行できるようにしていきます。

◇着脱

入園後は、自分で着脱できることを優先的に考え、すっぽりかぶる服(Tシャツ・トレーナー等)にしていただいてます。スムーズにできるようになったら次は、ボタンにも挑戦していきます。
自分でできなければ、できるようにひと工夫してあげることも必要だと思います。

【社会的行動の芽生え】

◇集団生活の意識・我慢する力

幼稚園という集団の中ではさまざまなルールがあり、それを守って初めて集団が成り立ちます。いっしょに生活していくうちに、玩具や保育者は自分一人だけのものという意識から、徐々に皆のものという意識へと変わっていきます。理解が深まることによって、思い通りにはならないこともあるということがわかり、我慢できるようにもなっていきます。

◇集団遊びの楽しさ

家庭では経験できないのが集団遊びです。ひとり遊びから、集団遊びへと移行していくこの時期に、集団遊びの芽生えとしての友達と一緒に遊ぶ楽しさを、十分に味わってもらいたいと考えています。

【思考機能・情緒機能の発達】

言葉・会話の発達

言葉を覚えると、コミュニケーションの手段として言葉を使うようになります。満3歳児は疑問をもったり質問することによって言葉数が増えていく時期ですので、しっかりと受け止めてあげることが大切です。また、集団に入り友達と関わる上で必要な言葉 “入れて” “貸して” “ありがとう” “ごめんなさい”を覚え使用し、遊びの輪が広がると、次の段階では、自己主張ができるようになり、自分の気持ちをわかってもらえるよう会話する努力をします。そうすること によって、言葉のキャッチボールができ、相手との仲も深まり、喜びを感じられるのです。ですから、話し相手はとても大切です。